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プロ野球の応援メガホンに関するエトセトラ

by て.いとう

プロ野球の観戦をするうえで、必須アイテムといえば、応援メガホン・応援バット(ここでは面倒なので、総称して応援メガホンと呼ぶ)。学生時代、アメリカ留学しているときにMLBの試合にもかなり行ったけど、向こうでは売ってないし持ってる人もいないんだよね。アメリカ人はワーキャーいい感じで「声」で応援することができるけれど、奥ゆかしい日本人は応援バットでパンパンやって応援する。日米の文化の違いがそこにあるわけ。

で、いま主流になっているのは、細長い応援バットで、ヌンチャクっぽい形状からカンフーバットなんて呼ばれたりもするコレ。

女性ファンも増えてきたし、バッグに入れてもかさばらないので、人気の理由も分かる。でも、これは発売当初はあんまり人気がなかった。

1998年のグッズカタログには、すでに登場していて、その歴史は決して浅くはない。うちにもあるんだけど、いつ買ったかは忘れた。たぶん、2000年前後。ほぼ使ってない。

そもそも、メガホンを野球の応援で使用するようになったのは、ヤクルトの私設応援団であるツバメ軍団の故・岡田正泰さんが発祥だとされている。岡田団長は、工事現場などで使われる三角コーンを加工し、メガホンを自作した。そもそも、東京音頭や傘を使っての応援を考えたのは、岡田団長であり、実にアイディアマンだ。

こうして、野球の応援にメガホンが導入され、各球団がグッズ化して販売するようになった。

左から近鉄、ヤクルト、中日のメガホン。どれも素敵だ
左から近鉄、ヤクルト、中日のメガホン。どれも素敵だ

いまや、このタイプのメガホンは、ほとんど売られていない。女性ファンが増えたから、かさばるものは流行らないだろうし、今のファンに渡してもつまらない野次が飛び交うだけだから、それで良いんだと思う。

僕が愛用しているのは、この2つで、いまも現役でがんばってくれている。

で、90年代は、こういう大きいタイプの応援バットが子どもに人気があった。

岡本太郎の猛牛マークがかっこいいぜ。90年代といえば、こういうメガホンがとにかく大人気で、子どもたちは、球場でこれを買って、好きな選手のシールなんかをベタベタ貼ったもんだ。阪神とかは、まだ売ってるよね。

当時はこれが大人気だったけど、弱点もあって、強度がないんだよね。バンバン叩いているとそのうち、根本から逝っちゃう。まあ、90年代はユニフォームを着る文化もないし、大したグッズは売ってなかったので、これくらいしか買うものがないから、別に壊れたらまた買えばよかった。背番号シールも200円だったので子どもでも買えた。

しかし、この愛くるしいメガホンも、カンフーバットの台頭で今や完全に姿を消した。

あと、この時期に売り出されて、それなりに売れたのが、V字メガホンだ。

これは、伝統的に広島カープが、しゃもじを叩く応援をやっていて、そこからヒントを得てつくられたらしい。今でも、ミニサイズなら売ってるんじゃないかな。ただ、これもずっと使っているとヒンジの部分が脆くて、大抵はぶっ壊れる。

時代と共に応援メガホンもその姿を変えて、洗練されてきたってことだろう。

そういえば、先日、球場で、どう考えても世代じゃない若者が、昔のユニやメガホンを使っているのを見た。まあ、応援なんて自己満だから好きにすれば良いんだけど、個人的にはアレはかっこよくないね。やっぱ年相応っていうかさ、世代ってもんがあるんだよね。その子にはその子の時代、例えば、2000年代の野球が青春時代にあったはずで、そこを大事にして欲しいよね。

ツイッターでも、「山田哲人のユニを着てるのはダサい風潮がある」って書いてるのを読んだことがある。確かに神宮は哲人ユニでいっぱいだ。でも、それをダサいって思うことがダサいんだよ。山田哲人は、ミスタースワローズの象徴である背番号「1」を継承するプレイヤーだ。若松勉、池山隆寛、岩村明憲、青木宣親と一流選手が繋いできたが、山田哲人は歴代のなかでも最強の5ツールプレイヤーだ。周りに着ている人が多いからダサいとかって思わないで欲しいもんだ。逆に、哲人と同じ時代にファンをやっていることを誇りに思って欲しい。世界のどこに出しても恥ずかしくない選手、それが山田哲人だ。

なんでも、古けりゃいい、人と一緒じゃなきゃいいっていうのはナンセンスで、例えば、2015年の優勝グッズだって10年、20年したら味が出てくる。いま、オークションで大金を出して、古いユニフォームやレトロな応援グッズを買うのって、「味を出す」っていう意味では、安易な道かもしれないけど、自分の世代のものを、育てていくっていう発想が大事だと思うんだ。


て.いとう
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